2014年10月4日土曜日

月刊生涯学習通信「風の便り」178号


メルマガ178号
月刊生涯学習通信

                       発行日:平成2610
                       発行者: 三浦清一郎
咲いた花なら散るのは覚悟、見事散ろうよ、高齢者
1 知らなきゃ、世間は渡れねえ!!
がんばろう日本、がんばれ高齢者!
 生涯教育は変化が加速した時代の産物です。過去に習い覚えた知識や技術だけでは、技術革新が加速する時代について行けなくなったからです。過去の知識が使い物にならなくなることを「陳腐化」現象と呼びます。生活の全分野が、生涯にわたって間断なき変化を遂げる時代は、生涯にわたって教育と学習を怠ってはならない時代です。一時代前にはなかった言葉や技術が生活を律しています。時代を生き抜くには高齢者にこそ学力が不可欠です。生涯教育はなかんずく、生きがいを探求し、老衰を予防し、認知症を防ぐ高齢者教育として再構築しなければなりません。教育の必要を自覚することこそ高齢者が現代を生き抜く不可欠な条件だからです。

じいちゃんラップを踊ろじゃないか!

 デジカメに餌は要らねえ、亀じゃねえ、インターネットは網じゃねえ、アドレス聞かれて番地をいうな!遺伝子組み換え知ってるかい?ちっちゃな虎はリストラで、新種の豚はユニクロだ、あれに見えるは、キントレで、むきむき兄ちゃんの集金だ、今日は残念、ノートレで、トレーニングはお休みだ!

ばあちゃんラップだ、行ってみよう!!

 ちっとは英語をやってるかい?時代は変わる、目は回る。小学校から英語だぜ、やらなきゃ時代についてけねえ!生涯時間は30年、生涯学習ぼけ防止!!LEDはあんたのことよ、LSDは麻薬です。新種のビールはクールビズ、メタボは流行りの油だぜ、自家発電に使うんだ。最低男はDVで、AKBはアカンベー、マナーモードは「だまれ!」って意味よ。農家潰しはTPPSM野郎は変態で、SP特別護衛官、AM午前で、PM午後で、2.5がつきゃ公害だ。モンスターママは自己中で、クレームは彼女のデザートだ。

じいちゃんよ!!

 定年ごろごろさあ大変、家にいるのは退屈で、地域デビューは恐ろしい、どじょうが出て来て今日は!やっぱり仕事が恋しいとハローワークで同窓会!亭主は英語でストレスだ。ブレるは政治家、キレるは子ども、女房殿はハザードマップ。この世にあるんだメイド・カフェ、行ってみようか、多美子さん。ドナーカードは美人に限る、メモを取るのは立派です!だけどそのメモどこにある?惚れると惚けるは似た者同士、分け分からずに舞い上がる。我らは人生のロスタイム。まだまだ勝負は分かんねえ。

ばあちゃんよ!!

 巷じゃわしらLEDMLBが大好きで、PGAも見るんだぜ、LSDはやらないが、ハーブティーなら毎日だ。シルバー人材現役で、パートをバイトと気障に言う。知らないことはアンケート。Ba-chanをプロにするのがマニュアルで、ファインプレイはワンダフル、残念至極はミスプレイ、みんなが騒ぐオスプレイ。聞くは一時の恥じのこと、知らぬは来世の恥のこと。コストダウンは節約で、ビジーは多忙、ファジーは曖昧。文句じゃねえぞ、アドバイス。走る分けねえだろ、社内LAN

じいちゃんよ!!

 知ってるだろうが念のため、Facebookは本じゃねえ、口説き文句はマニフェスト。香りのいいのはラベンダー、男が嫌うジェンダー・フリー、ドットコムのは電車じゃねえ。ブログは新種のふぐのこと。メークは変装、ビフォーはすっぴん、アフターはリフォーム。化粧品はリフォーム詐欺で、育毛剤は気休めだ、無駄なあがきだ、プラセンタ、奇麗になりたきゃ、便秘を治せ。鰯の頭も信心だ!やめろと言うときゃ死ぬ気で言え、アンチエイジングは負け戦、読み書き忘れて体操すれば、元気なボケが溢れるぜ!

ばあちゃんよ!!

 ウオーキングに体操だ!読み書きノートレ、おしゃれに社交。できれば最後にボランティア!平均寿命に近づけばそろそろお迎え来るだろが、ちゃんとおしえろデイケアに、「お迎え」、「お迎え」と声でかい!
 気になる日本語増えました。高齢社会だしかたねえ!「うすい」に「ふとい」に「まだいるの」。「もうそろそろだ」、「早く行け」。「アレアレ、それそれ」、「何だっけ」、「ここはどこなの」、「わたしだれ?」「じいさんさがせ」、「気にするな」、「GPSもついている」。「徘徊に今日はどこまで言ったやら」、「定年やひねもすのたりのたりかな」

2 勝負は死ぬまで分からない!!—ー高齢社会は健康寿命

健康寿命と平均寿命の「落差」が大き過ぎます

 2020年は「高齢者爆発」です。なぜならこの年、昭和20年生まれが75歳:後期高齢者になります。その時、彼らの健康寿命は失われています。以後、戦後のベビーブーマーが続きます。日本社会は、健康寿命と平均寿命の「落差」が大き過ぎます。最新の簡易生命表によると、日本人の平均寿命は男性が79.64歳 、女性が86.39歳です(生命保険文化センター調べ)。これに対して、厚生労働省の発表では、日本人の健康寿命は男性で70.42歳、女性で73.62歳です。
 健康寿命の基準は3つあります。第1は自分のことは自分でできること、第2は行きたい所へ自分の力で行けること、第3は介護保険の世話になっていないことです。
 死ぬまでに女性は約14年間、男性は約10年間、医療保険や介護保険の世話になるということです。日本の財政が持つ訳はないのです。

定年はサッカーのロスタイム、逆転することもあれば、されることもある。人生試合の進め方が大事です。



平均寿命じゃないんだよ
人生100年の時代です
勝負は健康寿命です
高齢社会は二毛作
最低2回は生きられる
辞めたら会社は関係ない
出世競争は過ぎたこと

社長は疾うに逝きました
専務は今年この世にいない
部長よいよい
課長は惚けて
辞めて輝く平のオレ

生涯スポーツ花をつけ
生涯学習実を結ぶ
組長−班長−自治会長、
老人クラブは副会長
将棋クラブは世話役で
少年野球は顧問です
ゲートボールはキャプテンで
防災活動リーダーで
近所に号令かけてます
コツコツ働くオレだから
お茶まで汲んでたオレだから
巡って来ましたわが世の春が
男女共同参画委員
右を向いても左を見ても
周りはみんないい女
負けて勝つのは平のオレ
生涯時間は30年
ぼちぼち、まだまだ、これからだ
読み書き体操ボランティア
勝負はまだまだこれからだ
健康寿命だ!参画だ!!



3 頭に来るよ、ほんとに、もう!!

 隠居は「この世の無用人」(藤沢周平)。現代の定年もまた同じであろう。永年勤続表彰を頂いても、家族の感謝の言葉をもらっても、以後は「自由の刑」が続く。自由の刑務所には「鉄格子」はない。看守もいない。どこへ行っても良く、何をするのも自由である。しかし、日々の満足は自らの力で見つけるしかない。到底「普通人」の耐え得るところではない。だから「刑」なのである。老人の「暴走」は、自由の刑に対する「苛立ち」の表現だと思う。
 一般労働者の半分か、3分の1に減らした「高齢者労働法」を作るか、常に主張しているように「ボランティア基金」を設立して、高齢者の社会参加にせめてガソリン代や弁当代の足しになる「費用弁償」を制度化すべきである。高齢者がお元気を取り戻せば、医療費や介護費を減少させることができる。十分公共投資の元は取れるのである。「世の無用人」は、社会や他者のために働いてこそ「有用人」になることができる。分かっとるのか!大臣諸公!

嫁:お父さま、味のある字ですわ。
オレ:(手が震えてるだけだ!!見え透いたことを!!)

嫁:ポチの無駄吠え、なおりましたね!
オレ:・・・(お前の無駄吠えが直らねぇ!)

理髪店:耳にかからないようにすればいいですね!ドライヤーもかけておきましょうか?
オレ:(おちょくってんのか?何でハゲがあいつらと同じ値段なんだ!)

オレ:このエレベーター壊れてんのか!
若者:じいちゃん!ボタン押した?

民生委員:立派なお家ですね!おひとりではさびしいくらいですね!!
オレ:(うるせぇんだよ!!お前一緒に住んでみるか!)

オレ:これ、中国産だろう?賞味期限もギリギリだろう!
嫁:あまりお気になさらないで!!気持ちに障りますから・・・。

孫:年金にボーナス無いの?
オレ:そんなことは安部に聞け!

炊飯器:ピッピッピッピ
レンジ:チーン
オレ:ちょっと待ってろ!急かせるな!

オレ:散歩に行くぞ、今日は遅くなる!
嫁:後のことがありますので、あまりやり過ぎない方がいいんじゃないですか・・・・?
オレ:(後のことっちゃ徘徊か!)

オレ:未だ化粧品代要るのか?
妻:未だ散髪代要りますか?

オレ:デザートはないのか?
妻:クスリがあるでしょ!!

嫁:自分史はもう一つ「追記」ですか?長生きも大変ですね!
オレ:(うるせぇ!)

医者:もう無理の効く年じゃないですよ!
オレ:(あんたもな!)

孫:「お迎え」はどこからくるの?
オレ:デイケアだ!!

息子:まだ宝くじ買うんですか?
オレ:未だ生きるつもりだ!悪かったな!!

4 やっとっきゃやるんだ、時間がねえぞ!—足音聞こえる認知症!!
認知症を知ろう
 認知症への恐怖が日本人を鷲掴みにしています。患者数も膨大です。体操するだけで「徘徊恐れられ」という川柳がでるくらいです。医学上、認知症は、後天的なの器質的障害により、いったん正常に発達した知能が低下することを言います。「単なるもの忘れとは違う」と強調されますが、現象的には物忘れから始まります。脳が縮んでいく「アルツハイマー型認知症」と、脳の中の血管が詰まり、小さな脳梗塞がたくさん起こった結果の「血管性認知症」があると言われています。日本ではかつては痴呆(ちほう)と呼ばれていた概念です。NHKの番組で「シロスタゾール」というクスリが認知症に効果があるとして紹介されました。予防には毎日の運動が最も効果的であるこという研究成果も出ています。また、フランス生まれの認知症ケア「ユマニチュード」という技法とその考え方が注目されています。ケアの方法を変えることで認知症の人も変わり、介護者と意思疎通が図れるようになるとこちらも注目されています。
 しかし、教育学が注目するのは、使わないことによる脳機能の衰退です。「廃用症候群」の指摘で分かるように、使わない心身の機能は衰退します。特に、高齢期は急速に衰退します。「アルツハイマー型」にも「血管性」にも関わりなく、頭を使わなければ、高齢者の頭は使えなくなるのです。寝かせきりにすれば寝たきりになるのと同じです。歩かない人は歩けなくなり、おむつをあてれば自分でトイレに行くことができなくなります。
 読まなければ読めなくなり、書かなければ書けなくなります。話さなければ、言葉を失います。かくして「司令塔」の機能を失います。大部分の「ボケ」は、引退後に楽をして、頭を使わない人に起こることは当然ではないでしょうか!

やっときゃやるんだ、時間がねえぞ!

矢野:三浦、お前奥さん亡くして何年になる?
三浦:もうすぐ7年だよ、早いもんだ!
矢野:しょぼくれてんじゃねぇぞ!女なんぞ49日が過ぎたら元気になるって言うぞ!!
三浦:オレも94日が過ぎたら元気が出た。
矢野:何だ、そりゃ?
三浦:くよくよせん、という意味だ!
矢野:親父ギャグが出るようじゃ大丈夫だろ!ところで吉田のばあさんとのデートはうまくいってんのか?
三浦:ばあさんじゃねぇ、多美子さんだ!
矢野:おっとっとっと。多美子さんか!
三浦:ぼちぼちだ!
矢野:もう大分長い付き合いだろう?
三浦:もうすぐ2年だ。
矢野:実験旅行にはでかけたか?
三浦:それがまだ言い出せねぇ!いろいろ考えると足がすくむ!
矢野:まさか結婚しようって訳じゃねえだろう?再婚はやめとけよ!
子どもらとの関係も、財産分与もとにかく面倒が多すぎる!!
三浦:そんなことは考えちゃいない。一人暮らしは寂しいから、日々のパートナーになれればそれでいい!!
矢野:相手もそうだよ。それでいいんだよ!もう手ぐらいは握ったんだろう。
三浦:ああ。でもその先が言い出せんのよ。いろいろ自信がないというか・・・・。
矢野:たかがシルバー旅行だ!出かけりゃ分かるさ。問題が解決するか、問題にぶち当たるかどっちかだ。賞味期限が切れてんのか、使用期限が終わったのか、行ってみなきゃ分からねえ!昔から、お前は慎重すぎる。えいやっと跳ぶんだ!!やっときゃやるんだ、時間がねえぞ!
三浦:えいやっと、ね。
矢野:そうだ。えいやっとだ!!これまでの人生に比べりゃ、たいしたことねえだろうに。二人ともやもめだ。駄目元だ!!誰に迷惑かける訳じゃあるまいし。今週中だぞ!報告待ってるぞ!

1週間後・・・・・・

矢野:おい!決行したか?
三浦:言うだけは言ったが、問題が起こった。
矢野:なによ?
三浦:お前にいわれた通り、えいやっと誘ったよ。シルバー旅行!
矢野:あのばあさん、なんだって?
三浦:ばあさんじゃねぇ、多美子さんだ!!
矢野:おっとっと、多美子さんなんていった?
三浦:嬉しいわ!行きましょう!お誘いいただくのを待っておりました!と来た。
矢野:コンチクショウ!ふざけやがって!!
三浦:たまげたね!
矢野:たまげることはねえ!向こうもお前に惚れてんだ!お前の誘いを待ってたって事さ!上出来、上出来!!なんも問題なんかねぇだろう!!
三浦:それがあるんだ!次の朝のことだ!緊張したせいか、夜中に目が覚めて、本当に彼女が行くって言ったのか自信がなくなった。すっぽりあの人との会話の記憶が抜け落ちてる。一度自信がなくなると、オレが勝手に想像したんでないかって、ますます迷う。認知症が始まったかって震え上がった。
矢野:それでどうした。
三浦:真実一路!正直に告白したさ!再確認だ。「緊張のあまり覚えていないんです!」って。あの人を傷つけるわけにゃいかんからな。
矢野:おまえらしいな。馬鹿正直だ!!それで?
三浦:それがまた大問題だ。
矢野:今度は何だよ?
三浦:「幸せでございました」と来た!!
矢野:うるせぇんだよ、なんかいも!!
三浦:旅行に行きたいって確かに返事をしたのは覚えてるって。「うれしかった」って、だけど「どなたにお返事したんだったかしら?」、自信がないってんだ!!
矢野:そりゃ、ボケだ。えれえこった!
三浦:オレもボケで、あっちもボケだ。二人揃ってまだらボケだ。これじゃ無理だろう。
矢野:そりゃ、無理だ。時間を置いて仕切り直しだ。


専業主婦は「駄目」だと聞こえました

変わってしまった女と変わりたくない男
 男女共同参画の研修会での出来事です。男女の決定的な違いは「生む性」だけではない。もちろん、女性が「生む性」であることが、女性を男性に服従させて来た理由でもない!性差別の核心は「筋肉機能の相違」にある。男女の筋肉の働きが決定的に違うということが、労働でも戦争でも男を主役にして女を従属させたのである。現代文明が機械化と自動化をもたらすまで、男の支配は何万年も続いた。それが「筋肉文化」である。それゆえ筋肉文化を粉砕して、男女の対等をもたらした最大の要因は「道具の進化」である。労働や戦争の機械化と自動化が男女の筋肉差を事実上解消したのである。過去に女が男に服従させられたのは仕方がない事情があった。しかし、筋肉差が解消した現代、女が男に従属する理由は何もない。男女共同は、過去にこだわらず、未来の新しい男女関係の構築と両性の役割の再定義を発明することに努力を集中すべきである。
 


 言うべきことをきちんと言えて気持ちよく研修会が終わる筈でした。ところが、とつぜん標記の感想が出て、会場は気まずい雰囲気になりました。研修会が前提とする「価値」を共有しない人が出席すると、自分が否定されたように聞こえるということでしょう。質問では無く、感想だったので、小生は発言を控えて放っておきました。
 主催者は、「いろいろなお考えがあって、いいのだと思います」というように「火消し」に躍起でした。しかし、質問者は「社会に参画する女性だけが立派だというのは納得できない」という趣旨を繰り返しました。「水掛け論」の最後は結局みんなが講師の方を見ます。
 穏やかに帰りたかったのですが、降りかかった火の粉は払わなければなりません。小生も、止むなく言いました。小生の主旨は「女性の選択意志」を尊重することが前提です。それゆえ、主催者にも講師の小生にも、「専業主婦」を選択したことを貶める意志は毛頭ありません。「でも、そのように聞こえるのです」と質問者は納得されません。
 再び、小生。この研修会は、「女性が男性と対等に社会に参画するためには何が必要か」を検討することを目的とする会です。「変わってしまった女」がいるように、「変わりたくない女」も当然いると思います。もちろん、「変わろうとしている男」もいます。しかし、本講座の目的は「女性の社会参画の意志」を前提にしています。「男性に伍して社会に参画したいと思わない人」は前提にしておりません。それゆえ、「ご自分の立場が否定された」ような議論に聞こえたのではないでしょうか?
 そこで再び、主催者は「決して専業主婦を否定はしていません」というようなことを言いました。「余計な機嫌取りをして、研修の目的をそらすな!」とかっとなりました。
 「生き方は人それぞれです。しかし、小生の提案に専業主婦のお立場を守ろうという発想は入れておりません!講座の主旨に関係ないからです」。「女性の社会参加や男共同参画を前提としないのであれば、小生がここに来る理由もありません」。「あなたがお出でになる理由もないのではないでしょうか?」と思ったがそれは呑み込んで言いませんでした。
 更に続けて、「今日の提案は、社会に出て能力を発揮したいと願っている女性の前に立ちはだかっているのが『変わりたくない男』であると申し上げたのです。その「変わりたくない男」を育てたのが『母』であり、彼を支えているのが『内助の功の妻』であると申し上げました。それがお気に召さなかったのではないでしょうか?」
 要するに、彼女は「男女共同参画」の思想が気に喰わないのだと察しました。
 5分だけ時間を頂きます、と言って、激しい小演説をしました。
 「安倍内閣で5人の女性閣僚を任命した程度で、日本の男女共同参画状況が変わる訳はないでしょう。男女共同参画の達成率は世界で105位。女性が輝く社会であることを世界に発進するなどとは笑止千万です!!社会に出て能力を発揮したいと願っている女性を支援したいというのなら、政策の実現結果で示すべきです。今回もかけ声ばかりで、『女性登用』の『数値目標』は見送ったじゃないですか!保育所の待機児童の解消も出来ず、学童保育に法律が規定している「健全育成」のプログラムも入れていません。育児の不安を解消せずに、少子化を止めることなんかできる筈はないのです。明らかに生産人口は減少し、マーケットは縮小します。日本経済は、女性の労働力に頼るしか突破口はないのです。これからの子どもは個人の子どもであると同時に、半分は社会の子どもなのです。だから半分は社会が子育てをすべきなのです。もちろん、個人の子どもである以上、幼児保育にも、学童保育にも応分の受益者負担を求めることは当然です。ある自治体のように学童保育を「ただ」にしろ、などという主張の方が間違っているのです。非婚化も少子化も女性の選択の結果であり、意識しているか否かは別として「変わってしまった女」の怒りの現れだと思います。これは男女共同参画の講座なのです。主催者も腹を決めて、立場をハッキリさせたらどうでしょう! 若い世代のなかに「専業主婦願望」が出て来ていることは承知しています。
 しかし、「社会参画の意志のない女」は、せめて「社会に出て活躍したい女」の足を引っ張るのを止めて頂きたいと思っています」。
 帰り際に「ありがとう」と言った人が数人いました!恫喝した爺さんに2度と「座敷」はかからないか、それとも社会に出たい女に味方する爺さんとして人気が出るか、答はこれから出ます。

178号/お知らせ


1 第143回生涯教育移動フォーラムin上天草
これからの公民館—高齢者によるふるさとの再生—
会場:上天草市松島総合センター「アロマ」
開会:10月25日(土)13時
基調講演:社会に参画して健康寿命を伸ばそう、三浦清一郎(40分)
事例発表:上天草市における高齢者によるふるさとの再生、公民館長 濱崎富雄(30分)
インタビュー・ディスカッション:高齢者によるふるさとの再生を考える
登壇者:濱崎富雄、森本精造、大島まな、活動団体の代表、コーディネーター三浦清一郎(80分)
閉会:16時
連絡先:上天草市教育委員会 教育部 社会教育課 
住所:861-6192 上天草市松島町合津7915−1
電話:0960-28-3361

2 第144回生涯教育まちづくり移動フォーラムin 徳地
日時:平成26年11月29日(土)〜30日(日)
場所:山口県徳地青少年の家(〒747-0342山口市徳地船路668、☎0835-56-0111
基調提案:生涯教育立国の条件 三浦清一郎
分散会:1『地域教育ネット』は可能か?2中高年の活動格差にどう対処するか?」、3「これからの公民館は?」4「自主防災は進むか?」 

3 第145回生涯教育まちづくりフォーラムin ふくおか
日時:平成26年12月20日(土)
場所:福岡県立社会教育総合センター、
  〒811-2402 福岡県糟屋郡篠栗町金出3350-2
  TEL 092-947-3512  FAX 092-947-8029
忘年例会になります。内容は協議中です。

4 第147回移動フォーラムin島根
日時:平成27年1月10日(土)13:00〜16:50
場所:島根県益田市
プログラム:子どもフォーラム(保育の問題を取り上げる予定です。)

5 第148回移動フォーラムin長崎
日時:平成27年2月1日(日)
場所:自主グループ「オヤジ夜究教室」の周年事業と協働の予定です。
場所:検討中

177号§MESSAGE TO AND FROM§
 遅い稲刈りが始まりました。黄金の波が消えると、山裾まで秋が時雨れます。やがて来るであろう死を予感して眺めるとみな様のお便りにも、季節の移ろいにも特別の感慨が涌きます。いつものように筆者の感想をもってご返事に代えさせていただきます。意の行き届かぬところはどうぞご寛容にお許し下さい。

山口県長門市 林 義高 様
一期一会のつもりで出かけました。関係のみな様の思いがけぬおもてなしと再会に感激いたしました。また、往復の車中で宇部の中村さんから山口の歴史を色々お聞きすることが出来ました。連続講演で「爺さんの生きる力」も再認識いたしました。果報なことに再び教員研修に伺うことになりそうです。FM放送のディスクジョッキーを10年も続けられた先輩の生きる力の原点を再確認しました。後に続いて頑張ります。次の再会を楽しみにしております。

鳥取県米子市 卜蔵久子 様
 毛利所長さんから前日に入るようご指示がありました。皆様との再会を楽しみにしています。国はまだボランティアが高齢者の健康寿命にとってどれくらい大事であるかを分かっていません。また、健康寿命が国家財政にとってどれくらい重要であるかも分かっていないようです。だからボランティア振興が「公共事業」にならないのでしょう。鳥取県の先行事例がモデルになるといいのですが、ボランティアを「ただ」で使っている間は日本社会への定着は難しいですね。

島根県益田市 渋谷秀文 様
 今回の移動フォーラムでは、中央政府が見落としている、学童保育の重要性を取り上げて頂き、ありがたいことです。高齢社会は、少子化と相まってこの国の財政を破綻させているにもかかわらず、口ばかりの男女共同参画行政では少子化を止められません。社会が子育てを分担する時代が来たのだと思います。最後の「アウトソーシング」は「養育の社会化」だと思います。それゆえ、政策の核心は保育の充実にあると思います。子育ての負担(感)を軽減できれば、女性の社会参加を促し、少子化を防止できます。保育の場で、子どもと高齢者を繋ぐことができれば、高齢者の健康寿命を延ばすことに繋がると思います。社会教育が学童保育に光を当てることは、「大畑—渋谷コンビ」復活の賜物だと受け止めております。しかし、「弁当の日」はいただけない!お二人を始め、関係する男たちが自ら子どもの弁当を作るまでに「進化」しているなら話は別です。文科省のスローガン通り、朝飯すら作れない親がいる時代に「弁当の日」という分科会を設定することに錯誤を感じます。せっかく「学童保育」問題を取り上げたこととも錯誤しています。弁当を作れない親がいて、市販の弁当しかもって来られない児童がいることは目に見えています。体力向上に「飯」は大事な要素ですが、弁当で親の愛情を計る時代は終ったのです。公教育である以上、コンビニ弁当の子どもに配慮が足りないのではないかと心配しています。何はともあれ、山口線が開通し、われわれもみんなで参加でき、何よりのことと喜んでおります。

山口県宇部市 赤田博夫 様
 過日の福岡フォーラムには遥々お出かけいただき誠にありがとうございました。社教センターの北富さんの呼びかけが効を奏し、思いがけず近隣自治体から新しいメンバーがたくさん参加して下さって、地道に活動を続けて行くことの大切さを再認識いたしました。徳地の移動フォーラムにも多くの皆さんがお出でになるよう期待しています。ご承知のように、来年は井関の子どもたちが山口大会の開会式で歓迎の朗唱をすることになりました。土曜日は、午前中に井関の指導をしてから、徳地に参りたいと考えております。
編集後記
医者と教育者
 愛媛の仙波英徳さんが相変わらず八面六臂の活躍で愛媛大会の企画をまとめあげ、送ってくださいました。大会タイトルは「私たちみんな子どもでつながっている」です。「その通りだ」と思う一方、「繋がり方」こそが問題だ!とも感じました。
 折から山口市井関小学校の学童保育の上野敦子さんから「雨にも負けず」のパロディが届きました。お名前はわからないのですが、作者は岩手県の小児科の先生だとのことで、同郷の宮沢賢治の時代を思い浮かべてのことでしょう。児童館の研修教材に載っていたということでした。大いに刺激を受け、教育者の視点で筆者もパロディを作りました。周知の宮沢賢治ですから原文は省略します。



医者のパロディ

雨二モアテズ、
風二モアテズ、
雪二モ夏ノ暑サ二モアテズ、
ブヨブヨノ体二タクサン着コミ
意欲モナク体力モナク、イツモブツブツ不満ヲイッテイル、
毎日塾二追ワレ、テレビ二吸イツイテ遊バズ
朝カラアクビヲシ、集会ガアレバ貧血ヲオコシ、
アラユルコトヲ自分ノタメダケ考エテ省ミズ、
作業ハグズグズ注意散漫スグ二飽き
ソシテスグ忘レ、立派ナ家ノ自分ノ部屋二閉ジコモッテイテ
東二病人アレバ医者ガ悪イトイイ
西二疲レタ母アレバ養老院二行ケトイイ
南二死二ソウナ人アレバ寿命ダトイイ
北二喧嘩ヤ訴訟ガアレバ眺メテカカワラズ
日照リノトキハ冷房ヲツケ、勉強勉強ト言ワレ
叱ラレモせズ、恐イモノモシラズ
コンナ現代ッ子二誰ガシタ

教育者のパロディ

雨にも負ける
風にも負ける
雪にも、夏の暑さにも負ける
へなへなか、あるいはブヨブヨの
ひ弱な身体をもち
欲は多く
決して満たされず
いつもイライラ文句を言い
あらゆることを自分中心に考え、
努力せず
がまんできず
協力もせず
やる気なく、体力なく、
きつい、嫌だ、やりたくないと繰り返し
平成の日本の豊かな暮らしのなかで
自尊感情を教わり
自己肯定を学び、
ゲームに溺れ、塾に追われ、集団で遊ばず
東に強そうな奴いれば、行ってあれこれへつらい
西に疲れた奴いれば、行ってあれこれいじめ
南に厳しい先生いれば、首になってもいいのかとうそぶき
北に非行の群れあれば、行って一緒に石を投げ
日照りのときはゲーセンにたむろし、
寒さの夏は道ばたに座り
みんなに自己中と呼ばれ
叱られもせず、
指導もされず
そういう者に私はなった!



2015年の「風の便り」更新のご案内
 10月になりました。今年もお付き合いいただきありがとうございました。「風の便り」は1年更新です。2015年1月号から、これまで通り「風の便り」の実物(ハードコピー)をご希望の方は、住所氏名を明記の上、郵送料と印刷費の合計(170円×12ヶ月):年間2,000円を事務局までお送りください。また、「メルマガ」をご希望の方は、その旨をメールでご連絡いただければ、送付名簿に登録します。
 


 月刊生涯学習通信「風の便り」169号、cSeiichiro Miura、『編集事務局』三浦清一郎 住所〒811−4177宗像市桜美台29−2、TEL/FAX 0940−33−5416、E-mail  krsmiura@rj8.so-net.ne.jp、今年のハードコピーをご希望の方は、印刷・郵送料として切手250円分を事務局までお送りください。12月号までお届けします。印刷:福岡コロニー